Perfume直角二等辺三角形ツアーに行った。(1)

Perfume直角二等辺三角形ツアーに行った。8月13日福岡2日目と、8月29日仙台初日。福岡の方は、帰省のついでということでPTA先行で申し込み当選したもの。半月以上前のことでもはや記憶がさだかじゃないので言えることは少ない。ただ、ライブから帰った当日に参戦可能な日を確認し、パソコンで仙台の宿を取り、移動手段を検索し、ヤフオクでチケットの価格の推移をチェックした、つまり、そんなことを一度もしたことのない自分に遠征を決意させるようなライブだったのは確か。

だけど、一昨日行った仙台のライブはそれを軽く上回る素晴らしく良いものだった。この感想はまた後日。

「I still love U」@ミュージックステーション 2009/07/12

パフュームの本領はダンスにあり。それを痛感した番組でした。矢島美容室トークによる緩んだ空気を、出だしの5秒弱で塗り替えるその強さ。ここまで問答無用ですごいと思ったのは、武道館の edge 以来ですね。MIKIKO先生すげー。Perfumeすげー。あとあ〜ちゃんのウインク。

番組用の編曲も良かった。イントロのマイケル部分は全カット、でもブレイクの故障箇所は残す。

Perfume『⊿(トライアングル)』初聴

トライアングル(初回限定盤)

トライアングル(初回限定盤)

傑作。アルバムに収められたシングル以外の新曲が総じて良い。その方向性がシングル曲と乖離しているため、アルバム一枚としてのまとまりに欠け散漫な印象を受けるのは残念。野球オタでもある僕的に例えると、前作の『GAME』が四番打者ばかりを集めた読売巨人軍のようなアルバムだったのに対し、今回は一番、二番から九番までバランスをとろうとはしている、ただしFAで取った高給取りの選手(=シングル曲)の配置が難しいよね、といったところか。でもチームとしての戦力は負けてない。

シングル入れないで、全部新曲でもよかったんじゃない?でもそうなると、アイドルのアルバムじゃないし、J-POPのアルバムでもなくなるだろうな、とは思う。自分のCD棚だと砂原良徳のアルバムの隣りにおきたい感じ。

  • 「edge」の新mixがえらいことになってる。既存の2パターンの「edge」があるからこそ成立するmixで、明らかに「これやりすぎでしょ!」と笑ってしまう。でも超カッコいい。「願い」も何か装飾過多だった。オーケストラアレンジいらない。
  • 「I still love U」について。80年代J-POP。初回版付属PVといい、発注段階からそういう指定があったんじゃないかなと思った。ベタに!とにかくベタに!

あと、もはや「近未来テクノポップ」じゃないことは確か。

rescure me なんていえない

最近のあ〜ちゃんは、復帰する前、引退直前のCoccoを想起させられる。膨れ上がる偶像を、生来の生真面目さからすべて受け止めようとして、その重みに耐え切れなくなりつつある少女の姿。

タモリ『またやりたくなったら出ればいい。
一回やめたらまた出たいなって思うかもしれないよ。
その時はまた復帰すればいいよ。』
ミュージックステーション」2001年4月20日Cocco引退前、最後の出演

あるいは椎名林檎。彼女もまた、自分に向けられた過剰な意志について自覚的だった一人だ。彼女は、意図的にギアを切り替え(それは、きわめてクレバーな行為だ)偶像として求められることから逃れた(Perfumeと同じく今月のJAPANに掲載された彼女のインタビューは必読)。

あ〜ちゃんを押しつぶそうとしているものが何なのか、想像することしか出来ないし、単に「頑張れ」という無責任なことも言えない。ただ、彼女を太陽と、天使と呼び、過剰な期待を押し付けるようなことはやめようと思う。彼女はただ、一人の二十歳の女の子だという事を忘れないようにしたい*1

*1:年端も行かない少年、少女に自らの欲求やその他のものを押し付けるという点で、基本的にアイドルというものは気持ちの悪い構造をしているんだな、と思った。

 「Perfumeインタビュー」『ROCKIN'ON JAPAN 2009/07月号』を読んで1。

http://d.hatena.ne.jp/aerodynamik/20090621/p2

なんというか超ロキノン。全然ニューアルバムへのインタビューじゃないな、とは思うが、密度が濃く、今後のターニングポイントになるかもしれない重要なテキストである。いくつか書きたいことはあるけどとりあえずひとつ目。

のっち「私もやっぱ、辛いときもあるんですけど、辛いとき辛いって考えると、もっと辛くなるって思う人なんですよ」
あ〜ちゃん「ほんまそう、そう思うよ」
のっち「そうなんです。だからあんまりそういうこと考えないです。もしこうだったらこうかもとか、あんまり・・・」
あ〜ちゃん「そうかもね、のっちね。でも、逃げすぎとるときはすっごいあると思う。そういうの考えないようにしとるっていうのを出しすぎとるとき、こっちがいらいらする」
のっち「そうなんや(笑)」

これは、あ〜ちゃんによるのっちへの「私を助けて」と言うSOSの言葉と読んだ。

――では、次に大本さんを紹介して下さい。
あ〜ちゃん:多分、優しいと思います。
――多分ですか…。
一同:(笑)。
あ〜ちゃん:長所って難しいね。多分「もういいや、どうでもいいや」みたいな所が良くない時もあるけど、何でも「いいよいいよ」みたいな感じに受け止めてくれるから、楽というのはすごくあると思う。結構サバサバしているから多分、好かれると思うんですけど。
のっち:全部、多分…。

以前からあ〜ちゃんはのっちについて同じことを語っていた。ただこれは、長所でもあり、だからこそこれまであ〜ちゃんは強いて変化をのっちに求めることはなかった。だが、それではもうだめなのだと、あ〜ちゃんは言う。それはつまり、「私と一緒に考えて」というメッセージなのだが、のっちはそれに気づいているのだろうか。起こされたテキストでは細かいニュアンスは分からないが、「そうなんや(笑)」という返事を見るとあやしいなあ、と思う*1

追記。なんか、昔ロッキング・オン・ジャパンで読んだアジカン初期の後藤のインタビューを思い出した。考えすぎる後藤と考えない天才の喜多との関係性。

*1:のっちらしい返事だとは思うし、インタビューが深刻にならないよう配慮したのかもしれないが